10/23 公開2日目!ゲストはライムスター宇多丸さん!!

二日目となる10月23日(日)の最終回の上映後トークショーは、あのライムスター宇多丸さん、
映画で主演した田我流(stillichimiya)というヒップホップミュージシャンの競演(!)に
監督の富田さんが加わる形で行われました。

会場は超満員です!(ありがとうございます)

ともに存在は知りながらも今回は初対面というお二人。

宇多丸:初対面なんですよね、曲は勿論聞いててラジオにもかけたりしてたんですけど。

田我流:俺、自分のファーストアルバムのソロを作ったときに、宇多丸さんの家のポストに入れたことがあるんすよ(笑)

宇多丸:はいはい、確かに入ってました(笑)

と初々しいエピソードを披露。そして話は「サウダーヂ」に移りましたが、やはりミュージシャンということもあり田我流のフリースタイルでラップをしていくシーンについて言及。

宇多丸:あれちょっと聞いたら、40回テイク重ねたんだって!?

田我流:そうです。

宇多丸:それは40回、毎回即興で違う言葉でやったってことだよね?

田我流:はい。

宇多丸:改めて聞くとあのラップって、彼の背景やその後の暗示とかが全部入ってるかなり複雑な内容のラップだけど、それ40回やらすってひどいですよ!(笑)

富田:基本、リリックに関しては、俺らが作っても全然駄目だったんで、すべてお任せでやってもらってました。

田我流:つうか俺よりフリースタイルでうまいやついっぱいいるし、あれなんですけど、アメリカとかだったら、チャンスがあればラッパーとか映画に出たりすると、少しでも自分を理解してもらうために頑張るじゃないですか。
それで今回、初めて映画に出させてもらうことになって、役柄の中にラップがあってリリックまで関与できるというのはミュージシャンとしてはかなりチャンスだし、ここは本気でやっぱやんなきゃと思ったんすよ。で、それは今後あとに何かやろうと思うやつらに少しでも可能性を広げられたらと。

宇多丸:それにしても、リリック書いとこうと思わなかったのは凄いよね。あのシーンでラップとかヒップホップが、どういうものか全て分かるシーンだと思います。

その後、撮影の裏話などに移りましたが、宇多丸さんの「街を撮る」ことについての率直な質問がありました。

宇多丸:(富田監督は)ずっと甲府で取られてて、自分にとってのふるさとが、だんだん終わってく映画を撮るって気持ちってどんな気持ちなの?

富田:正直な気持ちでいうと、今回は本当に嫌だな、作りたくねえなと思ってました。ただこう終わっていく町を撮ってはいましたが、本当にすべてが絶望しかなくて、希望がないのであれば映画なんか撮りませんから。やっぱどこかここから突き抜ける何かを手繰り寄せようという気持ちはありました。じゃないとやっても意味がないですよね。

田我流:自分はローカルでヒップホップをやって、チャンスも何もないし、ほんとこのまま終わっちゃうかもっていう、まさに映画の閉塞感まんまの気持ちはありましたよ。どんだけ自分たちがひどい状況なのかもわかるし、県がやれることも限りがあるってのも見えてる。ただこの映画の話をもらったときに、これが俺たちの希望じゃないかと思ったんすよ、何か今ある絶望を見せて、そこで知ってもらうことが希望じゃないかと。みんなが同じ目線になることが必要じゃないかって。だから、この映画自体が希望じゃないかと今も思ってますよ。

宇多丸:それってまさにヒップホップってのが生まれた状況に近い何かだよね、それは。

他に移民問題についての現状などの話など宇多丸さんの止むことの無い質問に途切れることなくトークが続きました。
また宇多丸さんは田我流を「ヒーローショーのジャルジャル以来の衝撃」(笑)と役者として高く評価!

トークショー後の質疑応答では、最後に「宇多丸さん、田我流さんが互いに中央と地方でやっているヒップホップをどうみているのか」と質問があました。宇田丸さんは、「正直、他のクルーに比べると(ライムスターは)地元意識があまりにないので、羨ましくもあるが実際、地方でやっていくというのは本当に大変なことだと思う」と述べ、田我流さんは「どこに住んでるかとか環境ってのは、性格みたいのと同じで変えようがないものじゃないかなあとも思うし、東京でてくれば色々いっぱいいいことはあるけど、逆に情報とかありすぎて迷ってしまうこともある、それに比べて、自分は自分で決めることができる自由があると思ってます」
と締めくくりました。

真摯にミュージシャンらしい意見をぶつけてくれたお二人に感謝します。

また宇多丸さんのラジオ番組「ウィークエンド・シャッフル」のシネマハスラーにて「サウダーヂ」を取り上げて頂けるそうです!!!
放送日は11/5(土)です!こちらもお聞き逃しなく。
http://www.tbsradio.jp/utamaru/index.html

そしてトーク中に出てきた「サウダーヂ」の後日談ともみれる
stillichimiyaの「莫逆の家族」PVはこちらです↓↓↓↓↓

映画をご覧になった方は是非こちらもチェックしてみてください!

そしてレポートはまだまだ続きますのでお楽しみに〜!
解放宣伝隊 岩井